相続登記申請書の書き方
1 相続登記申請書作成時に気をつけること
相続登記とは、被相続人の不動産に対する権利を相続人が承継した事を示すものです。
相続登記を申請する際には、以下の8つの点に気をつけて申請書を作成しましょう。
①登記の目的
②登記の原因
③相続人
④添付情報
⑤登記識別情報の通知
⑥申請日と法務局
⑦課税価格と登録免許税
⑧不動産の表示
以下解説します。
2 登記の目的
登記の目的とは、今回の相続登記が所有権の移転なのか、共有持分の移転なのかを明らかにする項目です。
所有権の移転なのであれば
登記の目的 所有権移転
と記載します。
共有持分の移転なのであれば、
登記の目的 〇〇持分全部移転
と記載します。
〇〇には、被相続人の名前を記載します。
3 登記の原因
登記の原因とは、今回の登記が相続によって発生したのか、遺贈によって発生したのかを明らかにする項目です。
相続によって発生したのであれば、
登記の原因 令和○年○月○日相続
と記載します。
遺贈によって発生したのであれば、
登記の原因 令和○年○月○日遺贈
と記載します。
○には、被相続人の死亡日を記載します。
4 相続人
相続人の項目は、文字通りに今回の相続で不動産を取得する事になった者の住所、氏名、連絡先を記載します。
この場合、単有の場合と共有の場合が想定できるので、場合分けします。
単有の場合、
相続人 (被相続人 〇〇)
名古屋市〇〇区〇〇町〇〇番地
△△ 花子
052-〇〇-〇〇
と記載します。
共有の場合、
相続人 (被相続人 〇〇)
名古屋市〇〇区〇〇町〇〇番地
持分2分の1 △△ 花子
052-〇〇-〇〇
名古屋市〇〇区〇〇町〇〇番地
持分2分の1 △△ 太郎
052-〇〇-〇〇
と記載します。
()内の〇〇には、被相続人の氏名を記載します。
5 添付情報
今回の相続で、登記申請上の相続人が不動産の所有者になった事を証明する情報を記載する項目です。
この項目は必ず以下の2つの記載になります。
添付情報 登記原因証明情報 住所証明情報
登記原因証明情報では、被相続人の出生から死亡までの戸籍と、被相続人の住民票の除票、全相続人の現在戸籍、遺産分割協議書、全相続人の印鑑証明書を提出します。
遺産分割協議書と印鑑証明書の代わりに、公正証書遺言書や検認済みの自筆証書遺言書を添付することもできますので、状況に応じて提出書類を変えます。
住所証明情報では、不動産を相続される方の住民票を提出する必要があります。
6 登記識別情報の通知
この項目では、登記識別情報の通知を受け取るか否かを記載します。
登記識別情報通知は、数字の羅列によって構成されており、昔でいうところの登記済証と似たような役割を果たしている重要書類です。
必ず受領するようにしましょう。
書き方は、
送付の方法により登記識別情報通知の交付を希望します。
と記載すれば大丈夫です。
7 申請日と法務局
申請日と法務局の欄では、実際に登記申請を行った日付と、不動産がある場所の登記申請を管轄している法務局の名前を記載します。
郵送で請求する場合は、登記申請日が分からないので空欄で提出して大丈夫です。
記載は以下のように行います。
令和〇年〇月〇日 名古屋法務局 本局・〇〇支局
8 課税価格と登録免許税
課税価格には、不動産の固定資産税評価証明書に記載された、価格欄を参照して記載します。
また、登録免許税は、相続の場合と相続人に対する遺贈の場合には、課税価格に0.4%を乗じて得た価格を記載します。
相続人でない者に対する遺贈の場合には、課税価格に2%を乗じて得た価格になりますので注意しましょう。
記載は以下のとおりとなります。
課税価格 金〇〇円
登録免許税 金〇〇円
9 不動産の表示
この項目では、今回の登記対象不動産の情報を記載して提出します。
書き方が決まっているので、登記事項証明書に記載されている情報をそのまま書き写しましょう。
不動産の表示
所在 名古屋市〇〇区〇〇町
地番 〇〇番
地目 宅地
地積 〇〇㎡
所在 名古屋市〇〇区〇〇町三丁目○番地
家屋番号〇〇番
種類 居宅
構造 木造瓦葺 2階建
床面積 1階 〇〇㎡
2階 〇〇㎡